カラー
【カラーの歴史】
染毛剤の起源は旧石器時代後期、儀式の際に樹木の汁等を使って髪を染めた事と言われています。今日の酸化染毛剤で広く使用されているパラフェニエンジアミンは1863年にドイツのA.W.ホフマンが、発見1883年にはフランスのP.モネーfが過酸化水素との組み合わせによるヘアカラーの特許を取得し、これが現在の酸化染毛剤の原型となっています。
【ヘアカラーの色味(色相)と明るさ(トーン)】
ヘアカラーを使った既染毛の色は、色相とトーンで 表すことが多いです。色相を表す言葉としては、レッド,オレンジ,ブラウン, ナチュラル,イエロー,ブルー,パープルなど様々な色名が存在します。
明るさを示すトーンは「レベル」と呼ばれることもあります。 一般に数字が大きくなるほど、明度が高く、明るくはっき りした色になります。
色相やトーンの表記の仕方は、メーカーによってまちまちです。 毛髪の色見本(カラーチャート)も、各メーカー独自で作っているため、 統一基準が存在しません。そのためヘアカラー協会が 、ヘアカラーのものさしとしてレベルスケールを作りました。レベルスケールとは、 髪の明るさの段階を、1~20の数値で表したものです。数字が大きければ大きいほど、 明るい色になります。日本人の地毛のトーンは4〜6トーンの方が多いです。
【カラー時の髪の構造】
一般的なヘアカラーは、1剤と2剤という2種類で構成されています。1剤の成分は酸化染料とアルカリ剤、2剤の成分は酸化剤です。この1剤と2剤を混ぜることで酸化染料が発色します。1剤と2剤を混ぜたものを「混合液」と呼ぶのですが、これを髪に塗ると、1剤の中のアルカリ剤が髪のキューティクルを開きます。すると、混合液が髪の内部に浸透していきます。
発色した染料の分子は結合して元より大きくなるという性質があるので、髪の内部に浸透した後は閉じ込められます。こうしてヘアカラーの色が髪に定着するというわけです。
【カラーの仕組み】
1剤のアルカリ剤がキューティクルを開き、混合液が髪の内部まで浸透していきます。2剤の過酸化水素の働きにより、1剤の酸化染料同士が結合し発色します。この発色した色で白髪を染めていきます。
また、アルカリ剤と過酸化水素の働きによって髪のメラニン色素を脱色します。酸化染料同士が結合し発色した分子は、元の分子よりも大きくなります。これによってキューティクルのすき間から染料が出られなくなり、髪の内部に白髪染めの色が定着します。
【カラー薬剤の種類】
ヘアカラーリング剤は大きく4種類に分けられ、それぞれ作用が異なります。
①ブリーチ剤(脱色剤)毛髪内部のメラニン色素を分解することで髪の毛の色を明るくします
②ヘアカラー(永久染毛剤)一度で髪全体を染め上げる。シャンプーしても色落ちしない。毛皮質のメラニン色素を分解し染料が髪の内部に浸透し染まります。
③ヘアマニキュア(半永久染毛剤) キューティクル及び表面近くの毛皮質に染まり、髪に色合いをプラスし、つやと潤いを与えます。
④一時着色染毛剤 一時的に髪に色素を付着させ、シャンプーで簡単に色を落とせます。髪の表面に顔料(色素)が付着します
【カラー時ダメージとその後のケア】
ヘアカラーをした髪は一度脱色しているのでダメージは大きいです。 髪を構築しているのはタンパク質です。ヘアケアも使用するアイテムや使い方によって状態は変わります。
ダメージヘアの人はキューティクルが剥がれ、タンパク質が流出していることが多いもの。そのため、トリートメント類は髪の内部までしっかり浸透させ、髪の表面を保護する必要があるのです。最近人気の洗い流さないトリートメント(アウトバストリートメント)のほか、髪の内部に成分を送り込むヘアパックなどで週に1度のスペシャルケアを行いましょう。
この記事を書いたスタイリスト情報
- 産能短期大学卒。婚礼に定評のある都内サロンを始め、10年間にわたりキャリアを積む。高いご要望に応えらえる技術と接客で、人気スタイリストとして活躍する。施術を提供する中で、心身ともにお疲れ気味のお客様が多いことに気付き、服の上からのマッサージを充実させることで、美容室に来た時に合わせてご提供できるのではないかと、ボディケアセラピストに転向。一連のボディケアを修得する。2015年5月、美容室のメニューに、トータルビューティーに加えてボディケアを導入するべく、日々挑戦中。