ヘッドスパ

【ヘッドスパの歴史】

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昔から医学として民間療法が盛んだったインドでは、マッサージが重要視されてきました。インドの伝統医療であるアユルベータでは食事療法や浄化療法のほか、薬草療法が非常に重要と位置づけられており薬草を利用したオイルを用いたマッサージが行われていました。このうち、シローアビヤンガと呼ばれる頭部と顔面のマッサージが現代のヘッドスパのルーツだとも言われています。日本ではアユルベータやクリームバスをヒントにして、様々な手法のヘッドスパが考案され、髪と頭皮のケアとクレンジング、リラクゼーション、マッサージなどの様々な特徴をもつヘッドスパが生れています。

【ヘッドスパはどんな場合に行うものか】

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寝不足などや肩こり、目の疲れなどを感じる時に、硬くなってしまった頭皮や肩の張り、コリをほぐし、リラックスしたいときに行います。また、頭皮にかゆみを感じる時は、頭皮の皮脂バランスが偏っている可能性があるので、専用のトリートメントなどを使用し、皮脂バランスを整える時にも有効です。さらに、抜け毛が気になる場合にも硬くなってしまった頭皮をマッサージし、余分な皮脂を取り除くことによって、血行を促進し、しっかり栄養を行き渡らせることができます。

【ヘッドスパ時の頭皮と髪の構造】

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まず、皮下組織にある毛細血管が髪の毛とつながっていて、そこから栄養素を送り込み健康な髪の毛を育てるというのが髪の毛の構造となります。頭皮の表面は角質と呼ばれる薄い膜に覆われていて、それが過剰に積み重なってしまうと毛穴を詰まらせ、抜け毛などのトラブルの原因になります。また、ヒアルロン酸量が減少するため地肌の潤いや弾力、血流が低下し髪に栄養が行き渡りにくくなったり、頭の筋肉が収縮されることにより地肌が硬くなってしまいます。そのため髪質にも変化が表れスタイリングしづらくなってしまいます。

【ヘッドスパの仕組み】

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クレンジングを目的にするものは、普段は洗い落せないような毛穴の中の皮脂汚れまで落とすことで頭皮を正常な状態に導いていきます。栄養を与えることが目的のものは、育毛などに有効的な成分を毛根まで浸透させ頭皮を内部から活性化することで、健康なつやのある丈夫な髪を作っていきます。また、ヘッドスパをすることにより得られる精神的効能は、頭がすっきりし記憶力、集中力がでる、ストレスが軽減され落ち着いたリラックス状態となる、筋肉の緊張をほぐし、疲労感を取り除く、また、香りでのリラックス効果も期待できます。身体的効能としては、頭皮の緊張をやわらげ血行が良くなることで育毛を促進する、凝り固まった緊張を緩和し、慢性のコリを和らげ首、肩もすっきりする、頭皮の緊張や炎症を鎮め、バランスの良い正常な代謝が行われるようになる、また弛んでしまった頭皮にほど良い刺激を与えることで、リフトアップ効果にもつながります。

【ヘッドスパの種類】

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炭酸ヘッドスパ ハニーパックスパ クリームバス スカルプヘッドスパ シロダ―ラ(アユルベーダ) オイルヘッドスパ アロマヘッドスパ ヘナヘッドスパ 超音波ヘッドスパ バキュームシステム 頭蓋骨矯正ヘッドスパなど様々な種類があります。特に、最近注目されているのが炭酸ヘッドスパになります。こちらは、炭酸ガスが溶け込んだお湯で流すことで、シャンプーではなかなか落としきれない頭皮の汚れや残留物を取り除き、頭皮にあるたくさんの毛細血管の血流を促進し、髪の毛を作る細胞にまで栄養を行き渡らせることができます。また、カラーやパーマで傷みアルカリ性が強くなってしまった髪の状態を、本来の弱酸性に導く働きもあります。

【ヘッドスパによるダメージとケア方法】

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ご自宅でシャンプーする際に、充分な時間をかけずに髪をゴシゴシ洗うのではなく、地肌をいたわるようにマッサージするようにすると、日頃のストレスでカチカチになってくる頭部のコリがほぐれ、血行促進につながります。美容室で専用のクレンジングやトリートメントでケアすることも必要ですが、毎日のご自宅での頭皮や髪の毛の扱い方も重要になってきます。このとき、長い時間強くもみほぐすことを意識するよりも、毎日少しでも、例えばテレビを見ていて両手が空いた時間などに、特に太い血管と筋肉のある後頭部と側頭部を中心に触る程度でも良いので毎日続けることで、健康な状態を保てます。また、美容室でのヘッドスパは月に1回を目安にすると、より頭皮を健康な状態に保つことができます。

この記事を書いたスタイリスト情報

若槻絵理香(コミュニティサロン と和 / 訪問美容 と和:トップスタイリスト)
盛岡ヘアメイク専門学校卒。ご年配が多く通うサロンから、若者が多く通うサロンなど、都内サロンで10年間のキャリアを積む。ヘアメニューの留まらず、ネイル・メイクなどのトータルビューティーも提供。ある日、サロンに通うお客様が、高齢により通うことができない現状を目の当たりにし、ご自宅に伺えることができない社内規制に悩み始める。上司に掛け合うも、「利益にならない訪問美容は取り組めない」と通達される。しかし諦めきれず、訪問美容の道を模索して、現在に至る。2015年7月、ケガや病気などで美容室に来ることができないお客様にお伺いたいと、訪問美容で活躍。

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