子ども着付(3歳) ~ 基本に忠実な丁寧な着付技術 ~

1.お手洗いのご案内

横1_お手洗いのご案内

着物を着付たあとですとなかなか行きづらくなりますので、事前にお手洗のご案内をいたします。親御様にお子様の体調をお伺いいたします。お着付に関して不安な点などもお伺いいたします。

見極めポイント!

普段着慣れないお着物ですと、お手洗も大変です。事前にお済ませいただかないと安心してお着付に臨めない可能性があります。体調確認をしないと途中で気分が悪くなり着付けを中断しなくてはいけなくなることもあり、ご予定が大幅に変更になる可能性があります。

2.カウンセリング

横2_カウンセリング

お客様のお持ちのお着物や小物を拝見し、お着付する順番にきれいに並べます。複数ある場合はお色味を親御様とご相談しながら決定していきます。

見極めポイント!

お客様主体ではなく、美容師本意のカウンセリングはお客様の本当のご要望やお好みがなかなか伝わりづらい事が多いです。カウンセリングが十分ではないと「こんな着付のはずじゃなかった」となる可能性が高まります。

3.準備

横3_準備

服を脱ぎ足袋を履いていただきます裾よけを巻き、肌襦袢を羽織っていただきます。裾よけの紐が苦しくないように、丈はお身体に合わせて着付けます。肌襦袢を丁寧に整えます。紐はゆとりのある締め方で襟の抜き加減を決めて、後ろの襟は少し広めに開けておきます。

見極めポイント!

お客様のお持物の取り扱いに十分注意し、お着物、帯、小物すべて大切に扱わなければ、破れたり、汚れたり、壊れたりする原因になります。お着付の途中や、終わってから足袋を履くと、着崩れの原因になりますので、必ず初めに履いていただきます。

4.補正

横4_補正

帯を締める位置に二重ほどタオルを巻き、補正いたします。この補正が紐を締めた時に苦しくならないクッション変わりになります。補正した上に腰紐を締め、補正を固定いたします。

見極めポイント!

タオルでしっかり補正し、クッションを作っておかないと、紐が体にくい込んで痛くなる原因になります。紐を締める際、苦しくないかを確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。

5.長襦袢

横5_長襦袢-(2)

長襦袢を羽織っていただき、長襦袢の背中の縫い目が首の中心になるように合わせます。丈を足首から5~6cmにし、お着付いたします。襟は抜きすぎないように注意します。

見極めポイント!

長襦袢の裾が長いと、着物の裾からはみ出てしまい、見苦しくなります。裾が長いと歩きにくくなる原因にもなります。衿の抜きすぎはだらしなく見え、子供らしさがなくなります。

6.着物

横6_着物-(3)

長襦袢の襟もとのラインに気をつけて丁寧にお着物を重ね、着付けていきます。腰紐は一番しっかり締めます。襟もとが崩れにくいように胸下にひもを締めます。おはしょりも背丈に合わせて長さを決めて綺麗に着付けていきます。

見極めポイント!

お着物のしわがを直さずに着付けを進めてしまうと、最終的な仕上がりが悪くなります。着物の腰紐がゆるい事と着崩れる一番の原因となり、きついと長時間着ていられなくなる事があります。あまり紐を締めすぎると嫌がってしまい、着付けが中断する可能性があります。

7.付紐

横7_付紐

半衿を1~2cm出し、着物の衿を合わせ付紐をお締めいたします。付紐が付いていない場合は、腰紐を使い、お締めいたします。

見極めポイント!

半衿の合わせの中心と着物の衿合わせの中心が、体の中心にきれいに合ってないと、傾いて見え姿勢が悪く見えてしまう原因になります。付紐を締める際は、苦しくないか確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。

8.伊達締め

横8_伊達締め

胸元と背中のしわをきれいに整えます。しわを整えたあと、紐の上に伊達締めをお締めいたします。紐を締めるのを嫌がる場合は無理に締めないようにします。

見極めポイント!

紐を締めた後しわをきれいに整えないと、見栄えがよくありません。伊達締めを締める際は、苦しくないか確認してから締めないと途中で苦しがって着付けが中断する可能性があります。

9.兵児帯、被布

横9_兵児帯、被布

兵児帯をていねいに二巻きし、後側で蝶結びにいたします。被布を羽織っていただき、着物の袖をていねいに通し、被布の紐(もしくはボタン)をお締めいたします。

見極めポイント!

兵児帯はていねいに巻きつけないと、大人のように安定感がないので、よろけて倒れてしまう恐れがあります。兵児帯を結ぶ際は、帯の先端が長くなりすぎると座った際に踏んでしまい、ほどける原因になります。ゆるすぎると、着崩れする原因になります。

10.草履

横10_草履

鏡で一度全体のバランスを確認し、親御様と一緒にお仕上がりをご確認頂きます。気になるところがあればお直しをします。最後に草履を履いていただきます。お手洗いの行き方や立ち振る舞いをお伝えいたします

見極めポイント!

お手洗の行き方や立ち振る舞いや着崩れやすい個所をお伝えしないと、着崩れた時の対処方法が分からず外出先でお客様が困ってしまいます。これらをお伝えしないことは、お客様に提供した着付けに責任を持っていないことになります。

お仕上がり

苦しくなく着崩れしづらいお着付をご提供いたします。

この記事を書いたスタイリスト情報

上村奈津美(コミュニティサロン と和 / 訪問美容 と和:トップスタイリスト)
鹿児島県美容専門学校卒。鹿児島の評判のトータルビューティーサロンで13年間勤務。店長・ディレクターとして、後進の育成にも従事。同社で新店オープンのため近隣住民に挨拶回りをしていた際、店舗から2軒先のご高齢の方から「ごめんね、足が悪くて行くことができないのよ。本当は行きたいんだけど。」という言葉に衝撃を受ける。美容室に行きたくても行けない方がいると知り、訪問美容を志す。2014年7月から、一念発起で東京に進出。ご自宅、施設・病院を担当する訪問美容で、新たな領域に従事する。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

ヘナ

【ヘナの歴史】 ヘナはインドからモロッコにかけて自生している植物です。その葉を乾燥させて粉末にしたものを「ヘナ」と呼びます。もとも…

おすすめ記事

  • 美容室の真実

    <ヘアサロンの利用回数> 日本お客様が1年間にヘアサロンを利用する平均…

  • 市販と美容室の使用薬剤の違い

    【市販のカラー剤と美容院のカラー剤は何が違うのでしょう?】 ①市販のカ…

  • ヘッドスパ

    【ヘッドスパの歴史】 昔から医学として民間療法が盛んだったインドでは、…

ページ上部へ戻る