子ども着付(7歳) ~ 基本に忠実な丁寧な着付技術 ~
1.お手洗いのご案内
こちらへどうぞ、とスタッフが手をかざすジェスチャー着物を着付たあとですとなかなか行きづらくなりますので、事前にお手洗のご案内をいたします。親御様にお子様の体調をお伺いいたします。お着付に関して不安な点などもお伺いいたします。
見極めポイント!
普段着慣れないお着物ですと、お手洗も大変です。事前にお済ませいただかないと安心してお着付に臨めない可能性があります。体調確認をしないと途中で気分が悪くなり着付けを中断しなくてはいけなくなることもあり、ご予定が大幅に変更になる可能性があります。
2.カウンセリング
やや引きで技術者、親御様が座り並んで小物合わせを相談している。お着物や小物を拝見し、お着付する順番にきれいに並べます。複数ある場合はお色味を親御様とご相談しながら決定していきます。お好みの帯結びもお伺いいたしします。
見極めポイント!
お客様主体ではなく、美容師本意のカウンセリングはお客様の本当のご要望やお好みがなかなか伝わりづらい事が多いです。カウンセリングが十分ではないと「こんな着付のはずじゃなかった」となる可能性が高まります。
3.準備
お着物、小物がきれいに並んでいる図服を脱ぎ足袋を履いていただきます裾よけを巻き、肌襦袢を羽織っていただきます。裾よけの紐が苦しくないように、丈はお身体に合わせて着付けます。肌襦袢を丁寧に整えます。紐はゆとりのある締め方で襟の抜き加減を決めて、後ろの襟は少し広めに開けておきます。
見極めポイント!
お客様のお持物の取り扱いに十分注意し、お着物、帯、小物すべて大切に扱わなければ、破れたり、汚れたり、壊れたりする原因になります。お着付の途中や、終わってから足袋を履くと、着崩れの原因になりますので、必ず初めに履いていただきます。
4.補正、長襦袢
長襦袢を着た正面全体の引きの図帯を締める所にタオルで補正いたします。長襦袢の背中の縫い目が首の中心になるようにを羽織っていただき、丈を足首から5~6cmにし、お着付いたします。
見極めポイント!
紐を締める際、苦しくないかを確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。長襦袢の裾が長いと、着物の裾からはみ出てしまい、見苦しくなります。衿の抜きすぎると、子供らしさがなくなります。
5.着物
着物を着た正面全体の引きの図長襦袢の襟もとのラインに気をつけて丁寧にお着物を重ね、着付けていきます。腰紐は一番しっかり締めます。コーリンベルトを使用すると襟もとが崩れにくくなります。おはしょりも背丈に合わせて長さを決めて綺麗に着付けていきます。
見極めポイント!
お着物のしわがを直さずに着付けを進めてしまうと、最終的な仕上がりが悪くなります。特におはしよりのしわをしっかり伸ばさないとだぶついた印象になります。また着物の腰紐がゆるい事と着崩れる一番の原因となり、きついと長時間着ていられなくなる事があります。
6.胸紐、伊達締め
達締め正面からの寄りの図半衿を1.5~2cm出して着物の衿を合わせ胸紐を締め、胸元と背中のしわをきれいにお整えいたします。おはしょりを、帯の下4~5cmになるように整え、伊達締めを締めます。
見極めポイント!
半衿と着物の衿の合わせの中心が、体の中心にきれいに合ってないと、傾いて見え、姿勢が悪く見えてしまう原因になります。胸紐、伊達締めを締める際は、苦しくないか確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。
7.帯
後ろから帯全体の図帯結びのお好みをお伺いします。苦しくないか気をつけながらしっかり帯をまきます。爪などで帯を傷つけないように気をつけます。親御様のご要望を伺いご希望に沿えるよう帯結びをします。帯結びの大きさ形を確認しながら進めます。
見極めポイント!
帯の締め具合も重要なポイントです。締めすぎてもとても苦しく不快ですし、ゆるすぎても時間がたつと帯自体の重みに負けて下がってきてしまいます。帯結びの大きさが体型に合っていないと全体のバランスが崩れてしまう原因になります。
8.帯揚げ、帯締め、しごき
正面から帯の図帯締めを後ろから通し前でお結びいたします。帯揚げをお仕上げいたします。しごきを帯下に添わせて二巻きほど巻いて、左後ろでお結びいたします。
見極めポイント!
帯締めの先端は最初に締めた帯締めに上向きに挟み込むのが基本です。帯揚げはボリュームを見ながらバランスをとって着付けていきます。しごきはきれいに折りたたんでから巻かないと、見栄えがよくありません。
9.仕上げ
正面衿元から帯までの図箱迫を胸元に差し込みます。お守りは箱迫に紐を通して箱迫から下がるようにお付けするか、帯締めに通してお付けいたします。、末広は左側帯締めに差し込みます。
見極めポイント!
箱迫は胸元に差し込む際に無理やり差し込むと、衿元がくずれやすくなります。お守りは、歩いた時にはずれて落ちないように、しっかり通しておかないといけません。末広は、差し込む位置が脇に近すぎると、袖に絡む原因になります。
10.草履、バッグ
鏡越しでアドバイスしている図鏡で一度全体のバランスを確認し、親御様と一緒にお仕上がりをご確認頂きます。気になるところがあればお直しをします。最後に草履を履いていただきます。お手洗いの行き方や立ち振る舞いをお伝えいたします。
見極めポイント!
お手洗の行き方や立ち振る舞いや着崩れやすい個所をお伝えしないと、着崩れた時の対処方法が分からず外出先でお客様が困ってしまいます。これらをお伝えしないことは、お客様に提供した着付けに責任を持っていないことになります。
お仕上がり
お客様のご要望に沿った帯結びと、
苦しくなく着崩れしづらいお着付をご提供致します。
この記事を書いたスタイリスト情報
- 鹿児島県美容専門学校卒。鹿児島の評判のトータルビューティーサロンで13年間勤務。店長・ディレクターとして、後進の育成にも従事。同社で新店オープンのため近隣住民に挨拶回りをしていた際、店舗から2軒先のご高齢の方から「ごめんね、足が悪くて行くことができないのよ。本当は行きたいんだけど。」という言葉に衝撃を受ける。美容室に行きたくても行けない方がいると知り、訪問美容を志す。2014年7月から、一念発起で東京に進出。ご自宅、施設・病院を担当する訪問美容で、新たな領域に従事する。
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