子ども着付(5歳) ~ 基本に忠実な丁寧な着付技術 ~
1.お手洗いのご案内
着物を着付たあとですとなかなか行きづらくなりますので、事前にお手洗のご案内をいたします。親御様にお子様の体調をお伺いいたします。お着付に関して不安な点などもお伺いいたします。
見極めポイント!
普段着慣れないお着物ですと、お手洗も大変です。事前にお済ませいただかないと安心してお着付に臨めない可能性があります。体調確認をしないと途中で気分が悪くなり着付けを中断しなくてはいけなくなることもあり、ご予定が大幅に変更になる可能性があります。
2.カウンセリング
お着物や小物を拝見し、お着付する順番にきれいに並べます。複数ある場合はお色味を親御様とご相談しながら決定していきます。お好みの帯結びもお伺いいたしします。
見極めポイント!
お客様主体ではなく、美容師本意のカウンセリングはお客様の本当のご要望やお好みがなかなか伝わりづらい事が多いです。カウンセリングが十分ではないと「こんな着付のはずじゃなかった」となる可能性が高まります。
3.準備
服を脱ぎ足袋を履いていただきます裾よけを巻き、肌襦袢を羽織っていただきます。裾よけの紐が苦しくないように、丈はお身体に合わせて着付けます。肌襦袢を丁寧に整えます。紐はゆとりのある締め方で襟の抜き加減を決めて、後ろの襟は少し広めに開けておきます。
見極めポイント!
お客様のお持物の取り扱いに十分注意し、お着物、帯、小物すべて大切に扱わなければ、破れたり、汚れたり、壊れたりする原因になります。お着付の途中や、終わってから足袋を履くと、着崩れの原因になりますので、必ず初めに履いていただきます。
4.補正、長襦袢
腰のくぼみ辺りにタオルで補正いたします。長襦袢の背中の縫い目が首の中心になるようにを羽織っていただき、裾を短めにして、お着付いたします。男の子の着付は、衣文は抜かず、衿元はぴったり合わせます。
見極めポイント!
紐を締める際、苦しくないかを確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。裾はやや短めに着付けないと、袴からはみ出てしまう可能性があります。衣文を抜いてしまうと男の子の着付けにはふさわしくありません。
5.着物
長襦袢の襟もとのラインに気をつけて丁寧にお着物を重ね、着付けていきます。腰紐は1番しっかり締めます。しわができたところはしっかりしわを伸ばします。なるべく苦しくないようにして、手早く着付けをします。
見極めポイント!
お着物のしわがを直さずに着付けを進めてしまうと、最終的な仕上がりが悪くなります。しわをしっかり伸ばさないとだぶついた印象になります。また着物の腰紐がゆるい事と着崩れる一番の原因となり、きついと長時間着ていられなくなる事があります。
6.帯
足さばきが良くなるように尻っぱしょりもいたします。帯をていねいに胴に二巻きし、一文字に後側で一結びます。体形に合わせて羽の大きさを決め結びます。
見極めポイント!
帯を締める際は、苦しくないか確認してから締めないと、全ての着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。しかし、ゆるすぎると、着崩れする原因になります。体形に合わせて羽を作らないと、袴を着たときの見栄えが悪くなります。
7.袴前紐
袴を履いていただきます。裾は足の甲くらいにいたします。前紐は帯と同じ高さにし、体の中心に合わせ一巻きし、後の帯の下でお結びいたします。
見極めポイント!
袴前紐は後の結び目にしっかり交差させないと、ずれ落ちてくる原因になります。脇できれいに折り返して後に回さないと、見栄えが悪くなります。袴紐を締める際はていねいしないと、大人のようにに安定感がないので、よろけて倒れてしまう恐れがあります。
8.袴後紐
袴の後ろを背中心に付け、帯板を結び目の上に安定させ、紐を後ろから前に回し十字にお結びいたします。
見極めポイント!
袴の中心と着物の中心としっかり合わせないと、傾いて見え、姿勢が悪く見えます。袴紐を締める際は、苦しくないか確認してから締めないと、着付が終わったあと息苦しくなる原因になります。紐先が均等に上下出るように十字にしないと、美しく見えません。
9.仕上げ
お守りは袴の紐(上紐)に結びます。懐剣は袴帯(下紐)に差し込みます。末広は袴帯(上紐)に差し込みます。
見極めポイント!
差し込む際に無理やり差し込むと、袴の紐がくずれやすくなります。お守りは、歩いた時にはずれて落ちないように、しっかり通しておかないといけません。懐剣、末広は、差し込む位置が脇に近すぎると、袖に絡む原因になります。
10.草履
鏡で一度全体のバランスを確認し、親御様と一緒にお仕上がりをご確認頂きます。気になるところがあればお直しをします。最後に草履を履いていただきます。お手洗いの行き方や立ち振る舞いをお伝えいたします
見極めポイント!
お手洗の行き方や立ち振る舞いや着崩れやすい個所をお伝えしないと、着崩れた時の対処方法が分からず外出先でお客様が困ってしまいます。これらをお伝えしないことは、お客様に提供した着付けに責任を持っていないことになります。
お仕上がり
苦しくなく着崩れしづらいお着付をご提供いたします。
この記事を書いたスタイリスト情報
- 鹿児島県美容専門学校卒。鹿児島の評判のトータルビューティーサロンで13年間勤務。店長・ディレクターとして、後進の育成にも従事。同社で新店オープンのため近隣住民に挨拶回りをしていた際、店舗から2軒先のご高齢の方から「ごめんね、足が悪くて行くことができないのよ。本当は行きたいんだけど。」という言葉に衝撃を受ける。美容室に行きたくても行けない方がいると知り、訪問美容を志す。2014年7月から、一念発起で東京に進出。ご自宅、施設・病院を担当する訪問美容で、新たな領域に従事する。
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