ヘナ
【ヘナの歴史】
ヘナはインドからモロッコにかけて自生している植物です。その葉を乾燥させて粉末にしたものを「ヘナ」と呼びます。もともとは、インドで髪を染めるのに使われていました。へナの歴史はとても古く、先史時代《歴史時代(有史時代)以前の歴史区分に当たり、文字を使用する前の人類の歴史》にまで遡ります。
インドや中近東ではじゅうたんや衣料品を染める染料として、インド伝承医学の「アユールヴェーダ」では皮膚病予防、外傷、やけどなどの薬として使用されています。古代エジプトでは、クレオパトラもヘナで爪や髪を染めて現在のマニキュア代わりのオシャレとして使用していました。
近年でもインドの女性はヘナを使って美しいレース模様を手や足などに描いて、その美しさ・豊かさを楽しんでいます。
そして安全性の高い染料として、天然素材の白髪染め・ヘアカラートリートメントの原料として注目されています。
【ヘナのメリット・メリット】
メリット
・染めながらトリートメント効果(ハリ・コシ・ツヤ)
・ダメージが無いので短い周期でヘナが出来る。
・頭皮の汚れも取れる
・体にやさしい天然100%成分
・施術中に頭皮がしみたりしない
デメリット
・白髪に色を濃く入れるには回数が必要
・匂いが数日残る。
・髪が濡れている時に数日タオルに色がつきやすい。約1週間程度で落ち着きます
・色の種類が少ない。
・インディゴ入りヘナを続けるとカラーで明るくできなくなる。
・自毛(黒髪)は明るくならない。
【ヘナとはどんなものか】
ヘナは3m~6mほどのミソハギ科の植物で、和名は指甲花(シコウカ)と言います。インドや中近東等の熱帯地方で乾燥した水はけのよい丘稜に多く自生する多年生ハーブです。 ヘナに含まれるローソニア・アルバ(ローソン)の酸化型赤色色素は、毛髪の主成分であるケラチン(タンパク質)に絡みつく性質を持つので色が付きます。
へナがタンパク質と結合する際、毛表皮に絡みつくように薄い皮膜を形成します。この薄い皮膜が酸化し発色し色を出します。さらに薄い被膜で強化されたケラチンは毛髪のハリとコシとなります。
ローソニア・アルバがケラチンに絡みつく際、周りの水分も一緒に巻き込みます。その水分は髪内部に浸透し、パサパサの髪をしなやかにします。
このローソニア・アルバは頭皮にとっても良いのです。頭皮ももちろんケラチンが含まれており、ヘナをすることにより乾いた頭皮を保湿します。加えて、ヘナは毛穴の汚れ、古い角質等を吸着し、洗い流す際に一緒に流れていきます。頭皮の洗浄にもなるわけです。
【ヘナの施術方法】
大きめのボールにヘナの粉を入れてお湯で溶きます。マヨネーズぐらいの硬さまで泡だて器でかき混ぜながらお湯の分量を調整していきます。トリートメント効果が高いためたっぷりと髪全体に塗布していきます。お湯で溶く緩い薬剤ですので流れないように注意が必要です。ラップを巻いたり、タオルを巻いた状態で15~20分置くことで髪が染まっていきます。
【ヘナ薬剤の種類】
天然100%ヘナ・HCカラー入りヘナ・ジアミン入りヘナの3種類です。
①天然ヘナ
ヘナのみのものやインディゴ(植物)・ハーブを配合し色味を調整したヘナ
②HCカラー入りヘナ
化粧品などに配合されている色素剤が入っているヘナでアレルギーが出にくいと言われています。反面、色が入りにくかったり落ちやすかったりします。
③ジアミン入りヘナ
アルカリカラーなどに配合されている色素剤が入っているため通常のカラーなどにアレルギーがある場合は使用できません。脱色効果がないためカラーに比べれば傷みが少ないと思いますが、ヘナのトリートメント効果はあまり期待できません。
【ヘナのトリートメント効果】
ヘナはどんなタイプの髪の悩みにも素晴らしい効果があること。細くコシのない髪にはハリを与え、ボリュームアップします。クセ毛の方、髪が太くてごわつく方はまとまりやすく変化し、また、乾燥してパサついた髪には艶やかな潤いを与えしっとりさせます。太い毛から細い毛や乾燥毛まで、あらゆる髪質に万能にトリートメント効果を発揮するところがヘナの最大の魅力です。
この記事を書いたスタイリスト情報
- 産能短期大学卒。婚礼に定評のある都内サロンを始め、10年間にわたりキャリアを積む。高いご要望に応えらえる技術と接客で、人気スタイリストとして活躍する。施術を提供する中で、心身ともにお疲れ気味のお客様が多いことに気付き、服の上からのマッサージを充実させることで、美容室に来た時に合わせてご提供できるのではないかと、ボディケアセラピストに転向。一連のボディケアを修得する。2015年5月、美容室のメニューに、トータルビューティーに加えてボディケアを導入するべく、日々挑戦中。
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